日本の気温今と昔」第6話(検証4:涼しい日)

こんばんは。日本の天気今と昔シリーズ第6話です。

前回の投稿から1週間が経ちました。→第5話「検証3:夜も暑い」

その間に名古屋では猛暑日日数が観測史上最多を更新しました。(ソース:https://weathernews.jp/s/topics/201808/270055/

ただここで大事なのは、2番目の記録が1995年であることは良いとして、3番目の記録が何と1942年でしかもその年には39.9℃を記録した年でもある(後者に関しては既知でしたが)、という事実です。

このシリーズは基本的に1960年以降を対象としていたので、このままで良いのか、となるわけです。

ということで、対象データを増やします!

1922〜23年に観測所の移転もしくは観測装置の変更があったみたいなので、1923年〜1959年のデータを追加して考えていこうと思います。

第2話で便利なページhttp://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php)を発見したので、今回の追加作業は非常に楽です。笑

ちなみに、過去に検証した、1平均気温2猛暑日3夜も暑いに関しての結論は上記データを追加しても変わりません(今回の検証でも分かります)。

さて、今までは「暑さ(日数)」を主に比較していました。

しかし例えば猛暑日日数を見ても、前述したように案外昔も日数があります。

一方で一日の最低気温、熱帯夜日数を比較すると断然今の方が多いです。

そこで今回は今までの逆、つまり「涼しさ(日数)」について検証していこうと思います。

検証4:涼しい日

「涼しい日」と一言で言っても、どう定義するかが鍵になります。

最高気温?最低気温?何を使いましょう?

両方使いましょう!!笑

しかも条件はかなり厳しくしましょう。

①最高気温が30℃未満=「涼しい昼」の日数

②最低気温が20℃未満=「涼しい夜」の日数

特に②は近年だとほとんど無いと思われますが、果たしてどうでしょうか。

グラフを作成するのに意外に時間を費やしました・・・とりあえず結果は以下の通り。

※2018年は8月27日までの暫定、データ元:https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php

「涼しい昼」の方は以前より遡って1923年からのデータにもかかわらず、ぱっと見ほとんど変わりませんね。

しかも期間中の「涼しい昼」の日数の最大は割と最近の1993年の40日です。1993年は相当の冷夏だったみたいですね。

これに関しては、「涼しい昼」の定義が「真夏日や猛暑日ではない日」と同等なので、前々回の検証時に得られた結果(意外に昔も真夏日や猛暑日はある=そうでない日は昔も意外にない)と同じです。

とはいえ1923〜1959年ですら同じ結果なのは驚きですが(正確に言うと、猛暑日は若干少ないです)。

一方で前回の検証でもそうだが、やはり「涼しい夜」の方は明確に差が出ました。

最低気温が20℃未満という条件はかなり厳しいように思えたが、1923〜1957年辺りまでは10日前後はある。

多いと20日もある年も。

ところがそれ以降は0日の年も徐々に増え、1994年以降はその傾向が顕著で、2桁にすら届かない。

特に「涼しい夜」の日数は「熱帯夜」でない日数とは違う点に注意です。

ちなみに熱帯夜日数(正確には一日の最低気温が25℃以上の日数)は1959年以前はほとんど2〜4日以下でした。

もうお気づきかと思いますが、つまり前回の結論をさらに後押しするような結果が得られた、ということです。

ということで今回の結論!

涼しい時間帯が少ない現在の方が昔より暑い!

最低気温が夜に観測されたかまでは確認していないので、「時間帯」という表現にしました。

とはいえ大抵は朝晩の気温で、昔は寝る時は(そもそも無いけど)クーラーいらずの日が多かったんですね。

次回予告

2回連続で最低気温をピックアップしたし、今年はあからさまに39℃以上が多かったので、猛暑日(35℃以上)よりもさらに暑い、例えば38℃以上や39℃以上のように細かく刻んで日数を調べてみたいと思います。

併せて7・8月の「最高気温」の「最高記録」の推移も調べてみましょう。

猛暑日日数と真夏日日数の散布図のおまけは次回にします。

最後まで読んでいただきありがとうございます。それではまた次回!

to be continued…

第7話「検証5:最高気温を深掘り」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする