台風がもたらすフェーン現象

こんにちは。

北海道や東北では台風25号から変わった温帯低気圧の影響で大荒れとなりました。

台風と温帯低気圧の違いについては→台風について知る

その低気圧も足早に東へ過ぎ去り、太平洋側を中心に秋晴れとなっています。

正確に言うと関東方面は気温が上がって真夏日なので夏のようですが。

さらに昨日は新潟県で35℃以上の猛暑日を記録。

10月としては2013年(新潟県の1地点)以来2度目。

しかも今年は4地点(全て新潟県)で観測。

参照:https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/rankall10.php?prec_no=&block_no=

これらは全て台風によるフェーン現象が原因です。

フェーン現象

そもそもフェーン現象とは・・・

空気が上昇または下降すると温度は上がったり下がったりします。

その程度は湿度等にも依りますが概ね以下の通りです。

1:空気は100m上昇するごとに温度が(平均して)約0.6℃ずつ下がる

2:(乾いた)空気は100m下降すごとに温度が約1℃ずつ上がる

台風などの強い風により空気が高い山を越えるとき、越えるまでは1によって温度が下がり雨雲が発生します。

山を越えるときには空気も乾き、2によって温度が上がります。

フェーン現象とは1・2の差によって気温が上昇する現象を差します。

参考:https://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/dannetsuassyukutokumonohassei.htm

実際に昨日と今日の気温分布を見てみましょう。

6日と7日13時の気温分布です(引用:https://www.jma.go.jp/jp/amedas/(加筆))

とても分かりやすい気温分布になっています。

風向や天候にも注意すると、6日はフェーン現象により日本海側で、7日は関東地方で気温が上昇しているのが一目瞭然です。

なぜフェーン現象が起こったのかは、6日と7日12時の実況天気図を見ると分かります(引用:https://www.jma.go.jp/jp/g3/(加筆))

6日は台風に向かって関東には暖かく湿った南寄りの強い風が吹いていました。

その風が関東山地(2,500m程度)を越えて乾いた空気となって新潟県に吹き降ろす状況でした。

先程の説明で1・2の差は約0.4℃なので、2,500mを超えれば約10℃は上昇します。

東京28.9℃→大潟35.5℃なのでそこまでの上昇は無いものの、概ね理論通りです。

7日は逆に台風から変わった温帯低気圧の吹き返しの北西の風が吹いていました。

流石に10月なので元々の北西風は涼しいですが、関東山地を越えた先にある関東ではフェーン現象により気温が上昇します。

大潟22.1℃→東京32.1℃と理論通りの上昇値です。

このように台風が過ぎる前と後によって180℃風向きが変わり、前は日本海側、後は関東など太平洋側でフェーン現象が起こりやすくなります。

今年の夏に各所で記録した最高気温40℃以上の原因の一つでもあるフェーン現象。

それに台風の湿った強風が重なると今回のように極端な気温上昇が発生するわけです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。それではまた明日。

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