こんにちは。
現在茨城県に最接近中の台風13号は本州の東の沿岸を沿うように北に20km/h程度のスピードで依然ノロノロと進んでいます。
一方で日本の南ではまた新たに台風14号が発生しました。
予報では、それほど発達はしないまま11日夜には沖縄に最接近するようです。
ここ最近立て続けに発生している台風ですが、その進路は多種多様、先日の台風12号はまさにそうでしたが、今年の台風の進路って明らかに教科書的なものからは外れていますよね。
なぜそうなるのか。
今回はそこを解説する為の準備として、台風に関する基本事項をまとめます!
台風とは
今年の台風について語る前には色々と基本事項を抑えねばなりません。
そこでまず、そもそも台風とは何なのかを抑えましょう。
気象庁によると、台風の定義は以下の通りです。
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。
つまり台風と呼ばれるには条件が3つあります。
① 熱帯低気圧
② 存在場所
③ 最大風速
これらの条件のうち、③は台風の風が強いイメージ通りで分かると思うので、残り2つに関して②→①の順に少し深掘りします。
条件② 存在場所
例えばアメリカでは「ハリケーン」、インドでは「サイクロン」と呼ばれているように、場所によって呼び名が変わるということです。
厳密に言えば、「台風」と「ハリケーンやサイクロン」では③の基準が違いますが、基本的には同じ種類のものとして思って良いです。
ここで特筆すべきは、台風とハリケーンの②に関する定義により、ハリケーンが台風に変わる、あるいはその逆があり得るということです。
稀にハリケーンが西経180°(=東経180°)を越えることがあり、越えた瞬間からハリケーンではなく台風となります(このような台風を越境台風と呼ぶこともあります)。
そして実は最近あったんです。2015年の事ですが覚えているでしょうか?
しかもその台風は遥々日本までやって来るだけでなく、上陸までするという観測史上2度目のケースでした(初じゃないんだ笑)。
その台風の進路図が下です。
途中点線の部分(17日〜20日)がありますが、これは一時弱まって台風ではなく熱帯低気圧となっている部分です。
実はここで消滅しそうな所でしたが、何とか踏ん張ってその後復活していました。
条件① 熱帯低気圧
そもそも日本付近にやってくる低気圧には2種類あるのをご存知ですか?
一つは「温帯低気圧」、そしてもう一つが「熱帯低気圧」です。
その違いはエネルギー源の違いによるものです。
温帯低気圧のエネルギー源は・・・寒気と暖気の温度差
熱帯低気圧のエネルギー源は・・・暖かく湿った空気
よって台風は熱帯低気圧なので、熱帯の暖かく湿った空気の塊になります。
また詳しくは省きますが、日本付近には熱帯の地域と違って冷たい空気(寒気)があるため、台風が日本付近まで北上すると、元々持っていた暖気と混ざり合って徐々に構造が変わっていきます。
テレビなどでよく聞く「台風は温帯低気圧に変わりました」とは、つまり低気圧としての構造が変わった、ということです。
ですので台風が温帯低気圧に変わったからといって、単純に弱くなったとは考えないで下さい。
長くなりましたが以上をまとめると、
台風とは特定の場所に存在する風速の強い熱帯低気圧
のことです。
次回は台風の進路の決定要因について解説していきます!
to be continued…
次回→台風の進路の決定要因